ストレスチェック運用方法の完全ガイド|実施手順から集団分析活用、高ストレス者対応まで

目次

はじめに

2015年12月より、常時50人以上の労働者を使用する事業場において、年1回のストレスチェック実施が義務化されました。さらに、2025年3月には、この義務化対象を従業員50人未満の事業場にも拡大する労働安全衛生法の改正案が閣議決定され、公布後3年以内に施行される予定です[3, 8, 15]。

ストレスチェック制度は、従業員自身のストレスへの気づきを促し、メンタルヘルス不調を未然に防止する「一次予防」を主な目的としています[23]。また、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることも重要な目的です。

しかし、「制度の運用方法がよくわからない」「実施はしているが形骸化している」「集団分析の結果をどう活用すればいいか悩んでいる」「高ストレス者への対応に不安がある」といった人事・総務担当者の声も少なくありません。

この記事では、ストレスチェック制度の基本的な理解から、具体的な運用ステップ、形骸化させないための集団分析活用法、高ストレス者への適切な対応、外部委託の検討ポイント、そして最新の法改正動向まで、人事・総務担当者が知りたい情報を網羅的に解説します。効果的なストレスチェック運用を実現し、従業員がいきいきと働ける職場環境づくりを進めるための一助となれば幸いです。

ストレスチェック制度の基本:目的と義務化を再確認

まず、ストレスチェック制度の基本的な事項をおさらいしましょう。

  • 目的: 従業員自身のストレスへの気づきを促し、メンタルヘルス不調を未然に防止すること(一次予防)。また、職場環境の改善につなげること[23]。
  • 義務化の対象:
    • 現行: 常時50人以上の労働者を使用する事業場(年1回以上の実施義務)[6, 14, 24]。
    • 改正案 (施行予定): 全ての事業場に義務化(50人未満の事業場も対象に)[3, 8, 11, 15, 22]。ただし、50人未満の事業場については、当面の間、労働基準監督署への結果報告義務は課されない方向です[8, 11]。
  • 実施者: 医師、保健師、または厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師・精神保健福祉士・公認心理師など[32]。
  • 実施事務従事者: 実施者の指示のもと、調査票の回収やデータ入力などを行う者。人事権を持つ者はなれません。
  • 従業員の受検義務: 従業員に受検義務はありませんが、事業者は受検を勧奨することが望ましいとされています。
  • 罰則: ストレスチェック自体の未実施に対する直接的な罰則はありません[44]。しかし、50人以上の事業場が実施後の結果を労働基準監督署へ報告しなかった場合、最大50万円の罰金が科される可能性があります(労働安全衛生法第120条)[6, 24, 44]。

【完全網羅】ストレスチェック運用の7ステップと実践ポイント

ストレスチェックを効果的に運用するための具体的な流れを7つのステップで解説します。

Step1: 基本方針の表明と衛生委員会等での審議

まず、事業者がストレスチェック制度に関する基本方針を表明し、社内に周知することが重要です。その上で、衛生委員会(または安全衛生委員会)などで、以下の事項を含む実施体制や規程について調査審議を行います[13, 34]。

  • 実施体制(実施者、実施事務従事者など)
  • 実施期間
  • 質問票の内容
  • 高ストレス者の選定基準
  • 面接指導の申し出方法・実施方法
  • 集団分析の方法
  • 結果の保存方法 など

審議内容は議事録として記録・保管しましょう。

Step2: 運用規程の作成と周知

審議結果に基づき、ストレスチェックの実施方法や情報の取り扱いなどを定めた社内規程を作成します。規程には、労働安全衛生規則で定められた事項(目的、実施体制、対象者、実施方法、結果の取扱い、集団分析、不利益取扱いの禁止など)を盛り込む必要があります。厚生労働省が提供するひな形も参考にするとよいでしょう[37]。作成した規程は、社内イントラネットへの掲載や説明会の実施などを通じて、全従業員に確実に周知します。

Step3: 実施体制の構築(実施者・実施事務従事者の選定)

ストレスチェックを実施する「実施者」と、その補助業務を行う「実施事務従事者」を選定します。

  • 実施者: 前述の通り、医師、保健師、または指定の研修を修了した看護師等が担当します[32]。産業医が実施者となることが望ましいとされていますが、外部機関に委託することも可能です[4]。
  • 実施事務従事者: 人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、実施事務従事者にはなれません。個人情報保護の観点から、守秘義務の徹底が求められます。

Step4: ストレスチェックの実施

定めた期間内にストレスチェックを実施します。

  • 質問票: 国が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」(57項目版または簡略版23項目)を使用するのが一般的ですが、衛生委員会等での審議を経て独自の項目を追加することも可能です[20]。
  • 実施方法: Webシステムを利用するオンライン形式や、紙の調査票を用いるマークシート形式などがあります。オンライン形式は集計の手間が省け、匿名性も確保しやすいメリットがあります。
  • 受検勧奨: 受検は任意ですが、制度の目的やプライバシー保護について丁寧に説明し、安心して受検できるよう促しましょう。リマインダーを送るなどの工夫も有効です。

Step5: 結果の通知と同意取得、結果の保管

ストレスチェックの結果は、実施者から直接、従業員本人に通知されます。封書やWebシステムを通じて行い、結果の見方についても説明を加えるのが親切です。

重要なのは、本人の同意なく事業者に結果を提供することは法律で禁止されている点です[38, 32]。事業者側が結果を知りたい場合は、結果通知後に、別途本人から同意を得るプロセスが必要です。同意取得の方法も規程で定めておきましょう。

ストレスチェックの結果は、実施者(または実施事務従事者)が5年間保管することが推奨されています[21]。

Step6: 面接指導の申し出勧奨と実施

ストレスチェックの結果、一定の基準(規程で定める)に該当する「高ストレス者」と判定された従業員に対しては、医師による面接指導を受けるよう申し出を勧奨します。

  • 申し出勧奨: 結果通知後、遅滞なく(目安として1ヶ月以内)行います[2]。面接指導を受けるかどうかは本人の自由であることを伝え、強制してはいけません[2]。
  • 申し出があった場合: 事業者は、申し出から概ね1ヶ月以内に面接指導を実施する義務があります[2, 21]。産業医や外部の医師を手配し、日程調整や場所(プライバシーが守られる個室)の確保を行います[21]。
  • 面接指導: 医師は、勤務状況や心理的負荷などを確認し、必要な指導を行います[9, 12]。
  • 事後措置: 事業者は、面接指導を実施した医師から遅滞なく意見を聴取し、その意見を勘案して、必要に応じて労働時間短縮や作業転換などの就業上の措置を講じます[9, 12, 20]。医師の意見は記録し、5年間保存します[21]。

Step7: 集団分析の実施と活用(努力義務)

個人の結果とは別に、部署や課などの一定の集団(10人以上推奨)ごとに結果を集計・分析する「集団分析」は、努力義務とされていますが、職場環境改善に繋げるために実施が強く推奨されています[19, 23]。集団分析の結果は、個々の従業員の同意なしに事業者側が把握できます[35]。詳しい活用方法は次章で解説します。

運用における最重要注意点:守秘義務と不利益取扱いの禁止

ストレスチェックの運用において、最も注意すべきは個人情報の保護(守秘義務)不利益取扱いの禁止です。

  • 守秘義務: 実施者および実施事務従事者には厳格な守秘義務が課せられます。個人の結果は本人の同意なく事業者に共有してはなりません[32]。
  • 不利益取扱いの禁止: ストレスチェックの結果や面接指導の申し出などを理由に、解雇、異動、降格、減給などの不利益な取り扱いを行うことは法律で固く禁じられています[13, 38]。相談しやすい窓口を設けることも有効です[18]。

「やりっぱなし」にしない!集団分析結果を職場改善に繋げる具体策

ストレスチェックを単なる義務の履行で終わらせず、組織全体の活性化につなげる鍵となるのが「集団分析」の活用です。

集団分析で何がわかる?結果の見方と分析のポイント

集団分析では、主に以下の3つの領域から職場ごとのストレス状況を把握します[5]。

  1. 仕事のストレス要因: 仕事の量的負担、質的負担、自律性(コントロール度)、役割葛藤など。
  2. 心身のストレス反応: 抑うつ感、身体愁訴、疲労感など。
  3. 周囲のサポート: 上司からの支援、同僚からの支援、家族・友人からの支援など。

これらの結果を部署別、職種別、年代別などで集計・分析し、「仕事のストレス判定図」などを用いて可視化します[5]。全国平均や業種平均、自社の他部署と比較したり[10]、過去の結果と比較して経年変化を確認したりすることで、課題のある部署や改善すべき点が明確になります。例えば、「特定の部署で『仕事の量的負担』が高く、『上司の支援』が低い」といった具体的な傾向が見えてきます。

分析結果を具体的な職場改善アクションへ繋げる4ステップ

分析結果を具体的な行動に移すためには、以下のステップで進めるのが効果的です[10]。

  1. 課題の特定: 分析結果から、特にストレスレベルが高い項目や部署を特定します。「なぜこの部署の『仕事のコントロール度』が低いのか?」など、背景要因を探ります。
  2. 優先順位付け: 特定された課題の中から、影響度(従業員の健康や生産性へのインパクト)と実現可能性(取り組みやすさ、コスト)を考慮し、優先的に取り組むべき課題を決定します。
  3. 改善策の検討・実施: 優先課題に対する具体的な改善策を検討し、実行します。
    • :
      • 仕事の量的負担が高い → 業務分担の見直し、応援体制の構築、業務効率化ツールの導入
      • 仕事のコントロール度が低い → 裁量権の一部委譲、業務プロセスの透明化
      • 上司のサポートが低い → 管理職向けのコミュニケーション研修(アクティブリスニングなど)、1on1ミーティングの導入
      • 同僚のサポートが低い → 部署内コミュニケーション活性化施策(懇親会補助、チームビルディング研修)、情報共有ツールの活用
  4. 効果測定と見直し: 改善策実施後、一定期間を置いて効果を測定します(次回のストレスチェック結果、アンケート調査、ヒアリングなど)。効果が見られれば継続・横展開し、不十分であれば原因を分析して改善策を見直します(PDCAサイクル)[28]。

職場環境改善の取り組みは、人事部だけでなく、現場の管理職や従業員を巻き込み、全社的に進めることが成功のポイントです[23]。

【事例紹介】集団分析を活用した職場改善のヒント

集団分析を活用した職場改善の事例は、厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」などで紹介されています[19, 41]。例えば、以下のような取り組みがあります。

  • コミュニケーション不足が課題の部署: 定期的なチームミーティングの導入、社内SNSでの交流促進、部署横断でのプロジェクトチーム発足などを実施し、風通しの良い職場環境を醸成。
  • 長時間労働が課題の部署: 業務プロセスの見直しによる非効率な作業の削減、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入、ノー残業デーの設定などを実施し、労働時間を削減。

これらの事例を参考に、自社の状況に合った改善策を検討しましょう。

高ストレス者への適切な対応とは?面接指導のスムーズな進め方

高ストレス者と判定された従業員への対応は、個人のプライバシーに最大限配慮しつつ、丁寧に進める必要があります。

高ストレス者へのアプローチ:丁寧な声かけと相談しやすい環境づくり

実施者から高ストレス者である旨の通知があった場合、まずは面接指導の申し出を勧奨します。その際、以下の点に留意しましょう。

  • プライバシーへの配慮: 周囲に知られないよう、個別に、丁寧な言葉遣いで行います。
  • 面接指導は任意: 受けるかどうかは本人の自由であり、強制ではないことを明確に伝えます[2]。
  • 目的の説明: 面接指導は、評価や査定のためではなく、自身のストレス状態について医師に相談し、アドバイスを受けるためのものであることを説明します。
  • 不利益取扱いの否定: 面接指導を申し出たことや、その結果によって不利益な扱いを受けることは絶対にないと伝えます。
  • 相談窓口の案内: 面接指導以外にも、社内外の相談窓口(産業医、保健師、EAPサービスなど)があることを案内します。

申し出をしやすい雰囲気づくりが重要です。

面接指導の申し出があった場合の対応フロー

従業員から面接指導の申し出があった場合、事業者は迅速に対応する義務があります[2]。

  1. 医師の手配: 産業医、または外部の医師に面接指導を依頼します。事業場の状況をよく理解している産業医が望ましいとされています[2]。
  2. 日程調整: 申し出から概ね1ヶ月以内に実施できるよう、本人と医師の日程を調整します[2]。原則として就業時間内に行いますが、本人の希望があれば時間外での実施も検討します(費用は事業者負担が望ましい)[21]。
  3. 場所の確保: プライバシーが守られる静かな個室を用意します[21]。
  4. 情報提供: 本人の同意を得た上で、医師に勤務状況などの情報を提供することが、より的確な指導につながる場合があります。

面接指導後の措置:医師の意見を尊重した就業上の措置

面接指導終了後、事業者は遅滞なく医師から結果について意見を聴取します[9, 12]。

  • 意見聴取: 医師は、従業員のストレス状況を踏まえ、就業上の措置(例:労働時間の短縮、深夜業の回数減少、作業転換、配置転換、休業など)の必要性について意見を述べます。
  • 記録と保管: 医師の意見は記録し、5年間保存します[21]。
  • 措置の決定と実施: 事業者は、医師の意見を勘案し、本人の状況も踏まえて、必要な就業上の措置を決定・実施します。措置の内容については、本人に十分に説明します。
  • フォローアップ: 措置実施後も、状況が改善しているか、新たな問題が発生していないかなどを継続的にフォローアップすることが重要です。

高ストレス者への対応を放置したり、医師の意見を無視したりすると、安全配慮義務違反として法的責任を問われるリスクがあります[2]。

ストレスチェック運用、自社実施?外部委託?メリット・デメリット比較

ストレスチェックの運用は、自社内で行うことも、外部の専門機関に委託することも可能です。どちらを選択すべきか、メリット・デメリットを比較検討しましょう。

外部委託のメリット

  • 専門性の確保: ストレスチェックや集団分析、高ストレス者対応に関する専門的なノウハウを活用できる[4, 7]。
  • 担当者の工数削減: 調査票の配布・回収、集計、結果通知、システム管理などの煩雑な業務を委託でき、人事・総務担当者の負担を大幅に軽減できる[4, 18, 40]。
  • 客観性・公平性の担保: 第三者が実施することで、従業員が安心して受検・回答しやすくなる。
  • 匿名性の確保: 特にWebシステムを利用する場合、個人結果の匿名性が担保されやすく、受検率や正直な回答を引き出しやすい[4]。
  • 質の高い集団分析: 専門的な分析手法や他社比較データを用いた、質の高い集団分析レポートが期待できる[7, 18]。
  • 充実したサポート: 高ストレス者への面接指導の医師手配や、職場環境改善に関するコンサルティングなど、付加的なサポートを受けられる場合がある[4, 17]。

外部委託のデメリット

  • 費用: 当然ながら委託費用が発生する[4, 7]。基本料金のほか、オプション(集団分析の詳細レポート、面接指導、研修など)で追加費用がかかる場合がある[7, 17]。
  • サービス内容の比較検討: 多くの業者が多様なサービスを提供しているため、自社のニーズに合った委託先を選ぶのに時間と手間がかかる[4]。
  • 連携の手間: 委託先との情報共有や連携が必要になる[18]。
  • カスタマイズ性: 標準的なサービスが中心となり、自社の特殊な事情に合わせた細かいカスタマイズが難しい場合がある。

失敗しない外部委託先選定の5つのポイント

外部委託先を選ぶ際は、以下の点を比較検討しましょう[4, 7, 17, 18, 39]。

  1. 実績と信頼性: ストレスチェック運用の実績は豊富か、官公庁や同業他社の導入事例はあるか、プライバシーマークなどセキュリティ認証を取得しているか。
  2. サポート体制: 導入準備から実施、結果通知、集団分析、高ストレス者対応(面接指導含む)、職場環境改善の提案まで、どこまでサポートしてくれるか。問い合わせへの対応は迅速か。
  3. 集団分析レポートの質: 分析項目は網羅的か、レポートは見やすく分かりやすいか、具体的な改善アクションにつながる示唆が得られるか。
  4. 費用対効果: 基本料金に含まれるサービス範囲はどこまでか、オプション料金は明確か、自社のニーズと予算に合っているか。単に安いだけでなく、価格に見合った価値があるか[17]。
  5. 実施方法と柔軟性: Web、紙など実施方法を選べるか、質問票のカスタマイズは可能か、自社の運用に合わせた柔軟な対応が可能か。

複数の業者から見積もりや提案を取り寄せ、比較検討することが重要です。厚生労働省も外部委託に関するチェックリスト例を公表しています[17]。

ストレスチェック制度の進化と「予防的アプローチ」の重要性

ストレスチェック制度は、導入から数年が経ち、その効果と課題が見えてきています。今後の動向と、より効果的なメンタルヘルス対策について考えます。

ストレスチェック義務化後の変化と今後の動向

  • 義務化対象の拡大: 前述の通り、50人未満の事業場にも義務化される見込みです[3, 8, 11, 15, 22]。これにより、中小企業においてもメンタルヘルス対策の重要性が一層高まります。
  • オンライン実施の普及: Webシステムを用いたオンラインでの実施が主流となりつつあります。
  • 職場環境改善への意識向上: 単にチェックを実施するだけでなく、集団分析結果を積極的に活用し、働きやすい職場づくりに取り組む企業が増えています[42]。
  • ハラスメント対策との連携: パワーハラスメント防止法(改正労働施策総合推進法)との連携も意識され、ストレスの原因となるハラスメント対策と一体的に取り組む動きがあります。

ストレスチェックだけでは不十分?「カジュアルEAP」による日常的なケア

年1回のストレスチェックは、自身のストレス状態に気づく良い機会ですが、それだけでは十分とは言えません。チェックとチェックの間の期間にストレスが悪化したり、高ストレスと判定されても面接指導の申し出には心理的なハードルがあったりする[35]といった課題も指摘されています。

そこで重要になるのが、日常的かつ予防的なメンタルヘルスケアです。深刻な不調に至る前の、ちょっとした悩みやモヤモヤを気軽に相談できる窓口があれば、早期にストレスに対処し、大きな問題への発展を防ぐことができます。

LivelyEAPのような「カジュアルEAP」は、まさにこのニーズに応えるサービスです。

  • 匿名・オンラインで気軽に相談: 従業員は、会社に知られることなく、匿名で、いつでもどこでもスマートフォンから気軽に専門の「聴き手(ホスト)」に相談できます。
  • 予防的アプローチ: 深刻なメンタル不調だけでなく、日常的な業務の悩み、人間関係のストレス、プライベートな心配事など、幅広い内容に対応。「ガス抜き」や「壁打ち」相手として活用でき、ストレスの蓄積を防ぎます。
  • アクティブリスニング: 厳しい基準で選抜され、専門的なトレーニングを受けたホストが、評価や判断をせず、じっくりと話を聴く「アクティブリスニング」で対応します。
  • ストレスチェック後のフォロー: 集団分析で見えた課題に対する施策の一つとして、また、高ストレス者や面接指導を申し出にくい従業員の受け皿としても有効です。

ストレスチェックという「点」のケアに加え、LivelyEAPのような「線」のケアを組み合わせることで、より効果的で継続的なメンタルヘルス対策が可能になります。

まとめ:効果的なストレスチェック運用で、従業員と組織の成長を

ストレスチェック制度は、法律で定められた義務であると同時に、従業員のメンタルヘルスを守り、働きがいのある職場環境を作るための重要なツールです。

効果的な運用のためには、以下の点がポイントとなります。

  1. 計画的な準備: 基本方針を明確にし、衛生委員会等でしっかり審議し、規程を整備する。
  2. 丁寧な実施: 従業員への説明を尽くし、プライバシー保護を徹底する。
  3. 集団分析の活用: 結果を分析し、具体的な職場環境改善アクションにつなげる(PDCA)。
  4. 適切な高ストレス者対応: プライバシーに配慮しつつ、面接指導への誘導と事後措置を確実に行う。
  5. 守秘義務・不利益取扱禁止の遵守: 制度への信頼を損なわないよう、徹底する。
  6. 予防的視点: ストレスチェックだけでなく、日常的な相談窓口(カジュアルEAPなど)も活用し、早期ケア・未然防止を図る。

外部委託も有効な選択肢の一つです。自社の状況に合わせて最適な運用方法を検討し、専門家の力も借りながら、継続的にメンタルヘルス対策に取り組むことが、従業員の幸福と組織の持続的な成長につながります。


参考文献

  • [1] 長時間労働者、高ストレス者の面接指導について – こころの耳 – 厚生労働省. https://kokoro.mhlw.go.jp/mental_guideline/rouhoshi/
  • [2] ストレスチェックにおける高ストレス者への対応方法は?企業や従業員の対応、放置するリスクを解説 アドバンテッジJOURNAL. https://www.armg.jp/journal/post-7960/
  • [3] 政府、ストレスチェックを義務化 3年以内に全企業で – 福祉新聞 (2025年03月28日). https://www.fukushishimbun.co.jp/topics/37459
  • [4] ストレスチェックを外部委託する場合の業者の選定ポイントとは – リモート産業保健 (2024年02月07日). https://sanchohoken.com/remote-sangyouhoken/stresscheck/9275/
  • [5] ストレスチェックの集団分析とは?手順と職場環境改善への活用法 | 株式会社リロクラブ (2024年12月06日). https://www.reloclub.jp/relotimes/article/25156
  • [6] ストレスチェックの義務とは?目的や拒否する従業員への対応を解説 – サンポナビ (2024年12月26日). https://www.sanponavi.com/column/stresscheck-duty/
  • [7] ストレスチェックの外部委託の費用相場は?導入の流れや委託先選びのチェックポイントも紹介 (2020年09月10日). https://www.persol-wl.co.jp/well-being/column/stress-check-outside-contractor/
  • [8] 労働安全衛生法を改正へ 50人未満もストレス検査義務 | 労基旬報オンライン (2025年02月25日). https://rouki.kls-corp.com/2025-2-25-110000/
  • [9] 【担当者向け】ストレスチェック後の面接指導とは?注意点と流れも紹介 | 特集・記事 | P-Tips – PCA (2023年12月15日). https://pca.jp/p-tips/kiji-231215.html
  • [10] 集団分析結果を管理職にフィードバックする際に気を付けるべきこと – SOMPOヘルスサポート (2024年12月26日). https://www.sompo-hs.co.jp/column/stress-check/stress-check-feedback/
  • [11] ストレスチェック義務化対象拡大についてのお知らせ(厚生労働省情報) – COCOMU (2024年10月11日). https://cocomu.jp/news/mhlw20241011/
  • [12] ストレスチェック後の面談とは?目的や流れ、注意点を解説 – Growbase (2024年10月09日). https://growbase.jp/media/stress-check/158/
  • [13] ストレスチェックとは?導入メリットや運用方法を一から解説 – SmartHR Mag. (2022年07月28日). https://smarthr.jp/mag/labor-management/stress-check/
  • [14] 【会社用】ストレスチェックサービス3選 メリットや選定方法も紹介 | ツギノジダイ. https://smbiz.asahi.com/article/14968584
  • [15] ストレスチェックの義務化、従業員50人未満も対象になる見通し | SATO PORTAL (2025年03月17日). https://sato-group-portal.com/news/stress-check-obligation-expansion/
  • [16] 【2025年保存版】ストレスチェック集団分析の効果的な活用方法/実践編~集団分析で職場環境を改善~ – STRESCOPE(ストレスコープ)(2025年01月31日). https://strescope.jp/column/20240131/
  • [17] 【チェックリスト付き】ストレスチェック外部委託のポイント!業者の選び方やおすすめのサービスを紹介 | さんぽみち(sanpo-michi)|ドクタートラスト運営 (2025年04月09日). https://sanpo-michi.com/column/stress-check-gaibuitaku/
  • [18] ストレスチェックを外部委託する場合の業者選びのポイントについて! (2022年05月20日). https://www.dodaitaiken.com/blog/stress-check-outsourcing
  • [19] 職場環境改善ツール|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト. https://kokoro.mhlw.go.jp/tool/workplace/
  • [20] ストレスチェックの高ストレス者とは?どんな対応をすればいい? – Growbase (2024年10月09日). https://growbase.jp/media/stress-check/118/
  • [21] ストレスチェック後の「高ストレス」面接指導・面談の流れは? | エムステージ 産業保健サポート (2024年12月05日). https://sangyouhoken-support.jp/column/stresscheck-interview/
  • [22] 【50名未満事業場】ストレスチェック義務化の現状と方針 – ウェルネスサポート (2025年03月14日). https://wellness-support.co.jp/column/5113
  • [23] ストレスチェック集団分析結果等を活用し職場環境改善に取組みましょう – 厚生労働省. https://jsite.mhlw.go.jp/iwate-roudoukyoku/library/iwate-roudoukyoku/date/kantoku/pdf/28110901.pdf
  • [24] ストレスチェックの義務化とは?概要や要件、手順や注意点をご紹介 – Growbase (2024年10月09日). https://growbase.jp/media/stress-check/124/
  • [25] 職場でストレスチェックを活用するには?効果的な運用方法も解説 | ITトレンド (2023年11月16日). https://it-trend.jp/stress_check/article/58-0051
  • [26] ストレスチェックの高ストレス者にはどう対応したらいい? | 空気とWell-beingのAIR Lab.JOURNAL – みんなエアー (2022年07月25日). https://minnaair.com/blog/stresscheck-high-stress-persons/
  • [27] 「ストレスチェック」完全義務化で「メンタルヘルス関連」上昇加速へ <株探トップ特集 (2025年03月27日). https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202503270954
  • [28] ストレスチェックの効果的な活用方法とは?集団分析のやり方や事例について解説 (2024年07月10日). https://www.armg.jp/journal/post-7138/
  • [29] ストレスチェック制度について|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト. https://kokoro.mhlw.go.jp/check/
  • [30] ストレスチェックの“高ストレス者”を放置するリスクと適切な対応とは | first call(ファーストコール)(2025年03月26日). https://www.firstcall.md/media/16459/
  • [31] 職場環境改善の鍵!ストレスチェックで高ストレス者に対応するための3ステップ – PCA (2024年09月17日). https://pca.jp/p-tips/kiji-240917.html
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  • [41] 平成29年度「ストレスチェック集団分析結果等を活かした職場環境改善」 – こころの耳. https://kokoro.mhlw.go.jp/sympo/h29/mental-health-sympo/index.html
  • [42] ストレスチェック制度の 効果的な実施と活用に向けて – 厚生労働省. https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/library/aichi-roudoukyoku/kantoku/antei/pdf/stresscheck-katsuyo.pdf
  • [43] ストレスチェック制度の義務化とは? 要件や罰則の有無、効果的な実施方法 – Yappli (2024-08-30). https://yappli.co.jp/magazine/stress-check-mandatory-overview/
  • [44] 【産業医監修】ストレスチェックとは?目的や実施方法・注意点を解説 – oneself. (2024年11月29日). https://oneself-health.com/mental-health/stresscheck-overview/
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